2020年のコロナ禍以降、緊急事態宣言などで外出自粛が長期化し、観光や冠婚葬祭の自粛で土産物や贈答品需要が低下したことで、洋菓子店でも影響が懸念されてきた。一方でステイホームが長期化し、自宅用のテイクアウトニーズが伸びた。なかでも、少し贅沢な「おうち時間」を過ごしたい巣ごもり需要の増加を背景に、スイーツでも単価の高いケーキ類などの販売が好調に推移している。今後に引き続き、洋菓子店では需要増が続きそうだ。特に、今年は去年に続いて中高価格帯のクリスマスケーキで予約が好調といった動きもあり、年末にかけて洋菓子店の売れ行きは堅調に推移する見込みだ。ただ、小麦やバターなど、スイーツづくりに欠かせない原材料費が足元で高騰している。そのため、コロナ後も流れたきた客足を逃がさない「街の洋菓子店」ならではの工夫が今後も求められる。