お知らせ

アニメ制作業界-2-

テレビアニメは、30分アニメで「ラブライブ」「呪術廻戦」などが人気となったほか、コロナ禍でのアウトドア人気を後押しした「ゆるキャン」などが話題となった。近年では「ウマ娘」「バンドリ」をはじめ、スマホゲーム等と連動した複合メディアミックス型のアニメ制作プロジェクトが広がりをみせており、新たなファン層の獲得や人気の底上げにも結び付いている。

しかし、テレビアニメの制作本数は2019年も3年連続の減少となったことに加え、新型コロナウィルスの影響による制作遅延やアニメ放映遅延といった問題が制作現場に追い打ちをかけた。さらには、コロナ禍でも高い評価の作品を作り続けてきた中国企業の台頭により、かねてから指摘されてきたアニメーターの労働問題や利益構造といった日本アニメ制作業界の課題が再び炙り出されている。設備や待遇など多くの面で、中国企業が日本企業の環境と同等かもしくは上回るとされているなか、人材や技術の流出などによる、日本アニメの停滞を懸念する声も上がり始めている。

また、日本アニメの人気が国際的に高まるなか、海外の動画プラットフォーマーや制作企業と取引を行うケースが増えている。アニメ制作企業300社のうち、外注や制作請負などで海外企業との取引が判明した企業は68社、全体の2割超を占めた。このうち中国企業との取引が最多で、韓国やアメリカ企業との取引も多い。近年ネットフリックスやテンセント、ビリビリなど海外の動画 プラットフォーマー らが日本国内のアニメ制作企業に対する関心を強めており、独占配信などの直接契約・取引を行うほか、資本の提供や日本国内で制作スタジオの設立といった動きが目立つ。

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