外食産業でも数少ない成長市場であった回転寿司市場が、新型コロナウィルスの影響により曲がり角を迎えている。これまで右肩上がりの成長を続けてきた回転寿司市場だが、2020年度は初の縮小に転じる可能性が高くなった。回転寿司市場はこれまで、積極的な出店やファミリー層の囲い込みなどで成長。
2020年度も、他の外食産業に先駆けていち早く注力したテイクアウトや、Uber Eats(ウーバーイーツ)など宅配サービスの利用拡大、秋以降はGo To Eat(ゴートゥーイート)にも助けられ、コロナ禍でも手軽に食べられるメニューとして消費者の支持が拡大。テイクアウトだけでなく店内飲食需要も回復傾向にあり、新型コロナウイルスの影響は限定的なものと見込まれていた。
しかし、緊急事態宣言中は回転寿司店でも時短営業や休業を余儀なくされ、企業によっては前年同月比で7割減となるなど、売上高は急減。当初は競合相手が少なく、多くの需要を獲得できたテイクアウトやデリバリーも他の飲食業態が相次ぎ参入したことで利用者の選択肢が増え、次第に競争が激化してきた。
地方の独立チェーン店では、特にお盆や年末年始のまとまった帰省需要が消失したことも響いている。
こうしたなか、大手各社は減少が避けられない店内飲食メインから、巣ごもり需要が期待でき、単価の高いテイクアウトを新たに恒久的な事業の柱として照準を定め、コロナ禍での業績浮上図る。
最大手の大型寿司チェーン店は、持ち帰り専門店を2021年中に10店出店すると発表。
もう一社、大手の 大型寿司チェーン店 ではドライブスルーやテイクアウト対応、入店から会計まで従業員を必要としない非接触型の店舗を増やすなど、コロナ禍での消費者ニーズに沿った店舗開発を進める。